赤かわらの屋根・・・高萩駅~JR東日本 常磐線
まるで北国の駅のような急傾斜の半切り妻屋根にファサードの半円形飾り窓が印象的な駅舎。
大正十五年(一九二六)の建築で全体に同時代に建てられた両毛線栃木駅にも通じるカタマリ感のあるデザインでまとめられている。
古レールが出入り口の庇を支え、海側に開いた改札口から風が通り抜けて行く。
七十年近い年月を経た建物だけに待合室や改札口はさすがに手狭で、キヨスクなどは出入り口の脇に店開きしている。
しかし新建材を使ったような安易な補修はされておらず、いい感じで古びている。
駅前には大型スーパーが進出し、徐々に都市化が進んでいるが、多少不便でも時代遅れとして切り捨ててほしくない駅舎である。
かつて、高萩は常磐炭砿南部の町で、この駅舎が建てられたころは盛んに良質の石炭が掘り出されていた。
西側の丘陵にある炭鉱の跡地は「大心苑」というスポーツ公園となっている。閉山は昭和四十二年(一九六七)、駅構内の石炭積出し用の側線がその名残りをとどめている。