"政治"の領域とは 5
社会的課税はいわゆる発展途上国においてきわめて高いものです。
ついで下落し、工業化の要請によって社会システム全体にさまざまな経済的制約(貯蓄および労働)と道徳的制約(義務、実直さ、謙虚)が課せられる時期が過ぎると改めて上昇します。
今日、勝利を収めた資本主義における政治的機能の質-費用関係は、あからさまに低下しています。
この点に関する公然たる無関心は、政治の役割が減退していることの現れにすぎません。
政治的機能の費用が増大し続けるとするならば、政治に対する敵意が始まることは十分に予想できるでしょう。
この敵意は、無政府の誘惑から生ずることもありえます。
もちろん中世の《自由平民》から現代の《赤い旅団》にいたるまでのテロリズムをはぐくんだこの無政府主義的イデオロギーの復活が重要だというわけではないでしょう。
資本主義は数年前まではまだこのテロリズムの本拠地であり、したがってその復活がまったく考えられないというわけではありません。
・・・しかし、もはや献身、実直、自己規律のユートピアの時代ではありません。
テロリストの一団が資金を手に入れる源泉が枯渇しただけになおさらです。
その代わりに、あらゆる道徳的根拠を欠いた無政府性がはびこり、たんなる個人的便宜から政治的権力の権威に異議申し立てをおこない・・・
ついでこの権威を拒絶しうるという態度がはびこることによって、国民国家が見放した領土に炎が燃え広がる可能性があります。